試合の後なにしてる?


先日、相模原市の空手道場の一つである守道会さんが主催する大会に数名の生徒が出場したので(その報告はこちら)、試合結果を基に何をするべきかをテーマに記事を書きたいと思います。

では、空手における勝ち負けの原因探索と、その姿勢が社会人にとってどのように必要となるかを科学的エビデンスに基づいて解説していきたいと思います。

空手でPDCA?

空手は一対一の武道でありスポーツです。練習や試合での勝敗は相手の技術や体力だけでなく、自分の心理状態や戦略にも大きく左右されます。勝ち負けを決める要因は多岐にわたりますが、その中でも重要なのは自分の行動を客観的に分析し、改善点を見つけて実践することです。これはPDCAサイクルと呼ばれる問題解決の方法論と同じです。

PDCAサイクルとは、Plan(計画)、Do(実行)、Check(評価)、Action(対策・改善)の頭文字を取ったもので、ビジネスや学習など様々な分野で用いられています。このサイクルを繰り返すことで、自分の目標に向かって効率的に成長することができます。

子供は感覚的にPDCAを実践しますが、言語化能力や分析能力が低い分、特に試合では感情が先行して十分に経験を活かせないものです。

また、放っておくとPDまでやってCAを省略する癖がついてしまいますので、子供の教育にお金と時間をかけるなら、是非CAをちゃんとやることを学んでもらった方がいいかなと思いますし、これをしっかりできる子は伸び方が違います。

空手におけるPDCAとは

短期的な目線でのPDCAの例
空手の組手の試合では、試合前にPlan(計画)を立てます。例えば、相手の弱点や自分の得意技を考えたり、攻撃パターンや防御方法を決めたりします。試合中にDo(実行)します。攻防の最中はもちろん、計画通りに動くだけでなく、状況に応じて臨機応変に対応することが求められます。スポーツ空手では技が決まるごとに審判が試合を止めますから、その時間に自分のDoに対してCheck(評価)します。これには相手の行動の分析も必要ですが、この点はまた別の機会に説明します。Checkによって、次の自分のAction(改善)が決定したら、Planに戻ります。この間まさに5秒程度で、次の瞬間にはDoが強制的に開始されます。

試合の経験を積んで、いくと、姑息ですが、防具や道着を整えたりして、時間を稼いでCheckからPlanまでを長くとることもやります。

特に実力が拮抗した選手同士の試合の結果は、このPDCAの結果ともいえるでしょう。普段から自分で考える癖をつけて、思考速度を速めていくことも勝つためには必要です。

大きな視点でのPDCA←最も重要
試合の前には当然練習をしています。ここでの練習における心構えや取り組む内容を自分で考え(Planに相当)ます。試合を想定しない練習はあまり意味がないでしょう。そして、実際に練習や試合を行い(Do)、試合や練習での自分の動画や先生・コーチのフィードバックなどを参考にして、自分の良かった点や悪かった点を振り返り(Check)。次の練習や試合に向けて、自分の弱点を補強したり、新しい技術や戦略を習得したりします(Action)。

社会的スキルとしてのPDCA

このように空手では(もちろんどんなスポーツでも同じですが)PDCAサイクルを回すことで自分の技術や戦闘能力を高めることができます。社会人になっても、仕事やプライベートで様々な問題や課題に直面することがありますから、その時もPDCAサイクルを回すことで、自分の目標達成や問題解決に役立つスキルや知識を身につけることが重要です。

スポーツはPDCAを体得するにはとてもよいツールだと思います。なぜならば、勉強よりも相対的な実力がわかりやすく、フィードバックが具体的に自分の身体に依存するので、理解がしやすいからです。

私は医師としても空手家としても、PDCAサイクルを回すことの重要性を実感しています。空手は単なるスポーツではなく、人生に役立つ哲学でもあります。皆さんも空手に挑戦してみてはいかがでしょうか。


いかがでしたか?今回の記事は、エビデンスに基づくわけではないので、本当にそうかと問われると、100%の確度を以て「そうです」と言い難い内容ではありますが、100%言えるのは、
空手に取り組む姿勢としてPDCA(もちろんその他のスキルも)を念頭に子供に対して声をかけることは、子供はそれを何割分かは感じ取ってくれることにつながる」
ということです。

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投稿者: keisuikansagamihara

相模原市 中央区の空手 教室です。

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