試合でいいパフォーマンスを出すために知っておきたい事

試合が近づいてきたので、よいパフォーマンスを出すためのメンタルについて書きたいと思います。心持は本当に大切ですよ。

試合で実力が出せないのは緊張のせいなのか?

「あぁ、負けた。。。緊張しすぎて技が出せなかった。」
「緊張しすぎて格下の相手と競ってしまった。。。」

という声が試合会場のそこかしこで聞こえてきます。

が、

それは本当かというと少し怪しいです。

もちろん緊張のし過ぎというのは、パフォーマンスを落とす要因になるのですが、同時に緊張しなさすぎもよいパフォーマンスを出せません。

私も学生時代に、国体で格上に対して緊張しすぎて何もできなかった苦い経験や、明らかに格下の相手に苦戦した経験があります。前者では、緊張のし過ぎが原因で、後者では緊張のしなさすぎが原因です。

緊張とは

緊張自体はパフォーマンスを上げることも下げることもしうるとはどいう了見でしょうか。以前の記事「勝ちに行くと負ける。。。かもしれない」でも書きましたが、パフォーマンスは感情のコントロールが鍵を握ります。緊張の原因を少し分解してみてみましょう。

競技不安とパフォーマンスの関係は,多次元不安理論で説明されます。(当然、他にもいろんな理論があるのですが、実務的にはこの理論が好きです)

この理論では,うまく遂行できるかなぁという心配に関わる認知的不安と,ストレスによる生理的反応として表現される身体的不安の 2 つに分けられるています。認知的不安というのは簡単にいうと、失敗したくないという心理がもたらすもので、試合中にずっと影響します。身体的不安は普段とは違う試合会場の雰囲気などでもたらされるもので、一定時間経つと緩和します。条件反射みたいなものと思ってください。一般には身体的不安よりも認知的不安の方が競技パフォーマンスに影響するとされていますが、試合時間が数分しかない寸止め空手においては不安による競技パフォーマンスの低下は重要な問題です。

また、競技パフォーマンスへの影響について、認知的不安が高いほどパフォーマンスが低下することが観察されていて、身体的不安については冒頭にあるような緊張しすぎもしなさすぎも両方良くないという研究結果がでています。ただし、難しいのは、認知的不安の影響を考える際に身体的不安の程度も同時に考慮する必要があることです。

認知的不安が低い時は、身体的不安によるパフォーマンスへの影響は少ないのですが、認知的不安が高い時は、身体的不安の程度に応じてパフォーマンスが変わります。認知的不安が高い時、身体的不安が低い時はパフォーマンスがベストな状態よりも低くなりがちであることに加え(影響は比較的小さい)、身体的不安が高すぎる時に急激にパフォーマンスの低下が観察されるのです。

具体例でいうと、「負けたくない」みたいな不安が強い時に、試合開始の笛が鳴って条件反射的に身体的不安がすごく高まると、パフォーマンスを落としてしまうということです。しかも、このパフォーマンスの低下は、身体的不安が解消されても、戻り難いみたいです。

つまり、常によいパフォーマンスを得ようとするならば、身体的不安の解消は放っておいて、認知的不安の程度を下げる努力をするべきだということです。

認知的不安の内訳

認知的不安の内訳はどんなものでしょうか?

「負けるかもしれない」
「失敗するかもしれない」
「負けたらかっこ悪い」

とかでしょうか?負けたら怒られるとかですか?(もはや虐待なので、ないと信じたいけどあるのが現実。。。

いづれにしろ、認知的不安というは感情によるものと理解できます。

感情をコントロールする

感情のコントロールが大事だという事は、以前の記事「勝ちに行くと負ける。。。かもしれない」もお読みください。感情のコントロールは一朝一夕にできるものではないので、普段から練習しておく必要があります。大人だとマインドフルネスに関する書籍を読んで「なるほど。やってみよう。」とできるかもしれませんが、子供はそうはいきません

(ちなみにマインドフルネスは不安や心配が頭から離れない状態から抜け出し、デフォルトモードネットワークと呼ばれるぼんやりと安静した状態になるための技法でもあり、近年、自尊感情を高めたり、抑うつ的感情への対処などで注目されています。また今度書きます。たぶん。)

特に子供は感情のコントロールが苦手です。保護者の声掛け一つで、認知的不安の程度が変わります。親が子供に対して、「次の試合楽しみにしているよ!絶対に勝とうね!!」と言って、子供がすごくいい子で「負けたら、お父さんお母さんが悲しむかも。。。」なんて考えてしまったら目も当てられません。

声掛けというのは子供の性格により変わるものだし、同じ言葉でも、発言者との関係性次第で微妙にニュアンスが変わるから難しいです。同じ「応援しているよ」も、それまでの関係性次第でよい影響も悪い影響も与えうるから慎重になるべきと思います。

なによりスポーツを通じて生きていくうえで必要なスキルを身に着けるという観点からは、自分で感情をコントロールできるようになってほしいですよね。保護者から子供にはエールよりも気づきを送ってほしいと切に願います。気づきを与えるスタイルの会話は、子供に感情と事実を分けて考える癖をつけさせる練習だと思います。実生活上で感情と事実を分けて考えることは非常に大切です。特に有事の際に適切な判断をする上で感情を切り離すことが間違った判断のリスクを減らします。

例えばですけども、

親「次の試合どう?」
子「勝ちたい」
親「応援しているね♡」「どういう試合にしたいの?」
子「蹴りでポイントを取って勝ちたい」
親「蹴りを決めるにはどうしたらいいの?」(具体的な作戦を考える)
 「もしポイントで負けてたらどうする?」(負けている時の想定もしておく)
 「相手の方が早かったら?」(想定と違う時の対処も考えておく)
子「・・・(めんどくせぇ)


試合前だからこの記事を書きましたが、普段からやりましょうという内容で終わってしまって恐縮ですが、参考になれば幸いです。いろいろ書きましたが、認知的不安への対処も学んでもらいたいので、指導としてあえて「絶対勝とうな」とか「頑張るんだよ」と子供にいう事もあることはご愛嬌です。

投稿者: keisuikansagamihara

相模原市中央区の空手教室です。

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