空手で正拳(横拳)が必然である理由

日本拳法や中国拳法における突きは縦拳であることが多いです。かの有名なブルース・リーのジークンドーも縦拳が主体です。理由は諸説言われています(早いから等々)。

では、何故空手では基本稽古を正拳で行うのでしょうか?

身体の構造を知る

突くためには腕を伸ばさないといけません。腕を伸ばすための要素は2つあります。

  1. 肘関節の伸展
  2. 肩甲骨の外転と上方回旋

この2つの動作は、当たり前ですが、全く異なる筋肉が使われています。1では、上腕三頭筋と肘筋(めちゃくちゃ小さい)、2では、前鋸筋・小胸筋・僧帽筋(上部)が使われています。また、これらの筋肉を動かす神経は全て腕神経叢と呼ばれる神経ですが、それぞれで大元の神経が異なります。

縦拳と正拳の違い

以前に突きにおける前鋸筋の重要性を書きました。最終的に相手に当たるときには前鋸筋で肩関節を固めて衝撃が背中に逃げないようにします。縦拳でも、正拳でもこれは一緒です。しかし、縦拳と正拳では、インパクト時に緊張している筋肉が微妙に異なります。

縦拳では主に上腕三頭筋や三角筋が働き、比較的に肩甲骨が挙上します。この時、前鋸筋や小胸筋を作用させようとしても、三角筋の方が力が強いので肩は上がりがちになります。縦拳の方が脇が締まるいう説明もちらほら見かけますが、解剖学的には誤りです。

正拳では肘が内旋する向きの筋肉が働き、どちらかというと、肩甲骨は外に開きます。何も意識せずにやると、肩甲骨が挙上してしまうのですが、前鋸筋や小胸筋を働かせると肩が落ちます。総合的に、肩甲骨の外転・上方回旋で腕が前に伸びやすく、肩関節も固定されるので、脇が締まり、力が伝わりやすくなります。

縦拳と正拳でどちらが腕を伸ばしやすいか実験することをおすすめします。

きっと、腕を伸ばしていく過程では縦拳が有利で、最後の一伸ばしで、正拳にすると拳1個分くらいは変わると思います。

どっちがいいのか?

見出しにしといてなんですが、どっちにもメリットとデメリットがあります。

縦拳は筋肉の操作が単純なので、攻撃の回転数を上げることが可能ですが、前述のようにパワーを乗せづらいこととリーチ面で最後の一伸ばしが難点です。正拳は縦拳のメリットとデメリットが逆転させた感じになります。

ジャブのように使いたければ、縦拳で十分ですが、ここぞで決める一発のためには正拳が必要です。一撃必殺を狙う空手では正拳になることは必然です。ただし、相手との距離によっては肘を伸ばしての正拳はできず、ナイハンチの鉤突きのように出すことになります。


いかがでしょうか?全部読んで下さった挙げ句、筋肉を動かすための神経はどうなってんだと気になってくれたら嬉しいのです。縦拳と正拳の話には続きがあります。

ヒント:脳が他に優先して制御している部位と関係しています。

関連記事

投稿者: keisuikansagamihara

相模原市中央区の空手教室です。

空手で正拳(横拳)が必然である理由」に3件のコメントがあります

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

%s と連携中

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。