子どもたちには基本稽古では力を抜いて素早く突いたり受けたりを指導します。しかし、それだけだと基本稽古が十分な意味を持ちません。なぜなら、敵を制することを考えるなら、戦いを想定した構えからの突き等を真っ先に教えたほうがよいからです。では、なぜ基本稽古があるのでしょうか?
基本稽古で得ること
特にその場の基本を単に移動基本や形への入口として教える事が多いように思います。もちろん大切なことです。でも、その場の基本の醍醐味はそれだけではありません。
やってみた方が早いので、以下の点に注意してその場突きをしてください。
- 骨盤は前傾させつつ、頭側に骨盤全体を引き上げる
- お腹にでっかいバランスボールを抱えているようなイメージを持つ
- 脇は全力で絞める
- ついた方の肘関節の屈曲側が上を向いたまま、拳はしっかり返し、伸ばしきる
- ゆっくりやる
これらをすべて忠実に再現すると、全身の筋肉が緊張したまま動く事になります。力を抜いて素早く動くのとは真逆です。私は最初のうちは10本もできませんでした。100本もやれば全身の筋肉が悲鳴をあげるようになるでしょう。
形でも学ぶ
剛柔流などでは、当たり前のようにやられている練習で、チンクチやガマクという表現で教えられるそうです。チンクチやガマクは身体の内側の筋肉の操作です。和道の練習体系にありませんが、ナイハンチやセイサンではガマクに相当する身体操作が学べると思います。ガマクについては、私自身がまだ習得できていないので、今後お伝えできればと思います。
いろいろと書きましたが、詳しくは道場で聞いたり教えられたりしたほうが良いです。自分だけだと、絶対に間違えます。