空手孫子の兵法_軍形篇

誰だって戦いには勝ちたいものです。そのためにつらい練習を繰り返すわけで、誰も負けようと思ってやってはいないもの。でも、じゃあ、どうやったら勝ちに行けるのかというは結構難しい問題です。この記事では、孫子の兵法の軍形篇から戦い方の極意を見ていきたいと思います。

堅守速攻

私はサッカーが好きなので、サッカーの話を出します。最近のサッカーのトレンドは堅守速攻です。昔はカウンター型のサッカーは弱いチームがよい試合をするための戦略という認識だったのが、FIFAの膨大なデータからの分析で、勝つチームや得点できる状況がどういったものなのかがわかってきた結果、今では、堅守速攻が基本的な戦略になりました。当たり前なのですが、「攻撃のために前のめりになったところでボールを奪えば、相手のペナルティエリア付近の人口密度が低くなるので、手数をかけずに素早くボールを運べばゴールできる確率があがる」というコンセプトです。(専門家ではないのでそこそこで許してください)

いきなり、サッカーの話を出してしまいましたが、何を言いたいかというと、守備の意識はすごく大事だということです。しかもその守備の概念は最終目的が勝つことなので、「負けないため」というやや消極的な態度ではないことも大事なコンセプトです。

孫子はなんと言ったか

『勝つ可からざる者は守なり。勝つ可き者は攻なり。守らば則ち余あり。攻むれば則ち足らず。昔の善く守る者は、九地の下に蔵れ、九天の上に動く。故に能く自らを保ちて勝を全うするなり。』

孫子は、「勝つ見込みがない時は守りを固め、勝てるようなら攻めろ」といいます。攻守それぞれの特徴を「守りが固まっていれば余力が生まれ、攻めれば余裕がなくなる」として、最終的にうまく勝つ人というのは、「耐えて耐えて、勝つときは勢いよく攻める」人だとしました。

なんとなくわかりますよね。先ほどのサッカーの戦術コンセプトとよく通じています。

空手に先手なし

「空手に先手なし」という言葉は、「空手は守るための武術だから、自分から手を出すような人になってはいけないよ」という道徳的な扱いでの説明がされます。形はすべて受けから始まりますので、空手の技術が守りから入っていることは容易に想像はできるのですが、果たして道徳的な意味合いだけでの言葉なのかは、疑問です。

孫子の兵法は戦いにおいて、いかに優位になるかを説いたものです。そこでも、まず守ることと言っていますが、果たして孫氏が道徳的に「戦いでは人が死ぬから、無暗に手をだしてはいけない」という意味で、守りの重要性を説くでしょうか?

空手の攻め方に関して「先の先」という言葉があります。字面通り「空手に先手なし」ならこのような言葉はコンセプトが真逆です。つまりは負けないための戦術として、まずは相手に攻めさせて、きっちりと受けきってから、自分の攻撃をしていくほうがよかったということではないかと考えます。
空手の仮想敵は剣術でした。リーチは圧倒的に剣の方が広いので、徒手空拳の術を先に仕掛けたら、よほど鈍間な相手でない限り、切られます。そうであれば、相手の剣をさばき、隙を作って(しかも相手が近づいてくれている)、攻撃をしかけていくことが一番安全です。

競技でも

一番想像しやすいのが、カウンターですが、堅守速攻はなにもカウンターだけのコンセプトではありません。自ら攻めていきつつも、相手の反撃に常に備えておき(堅守)、受ければ即攻撃(速攻)でもいいのです。もちろん攻めの際は、それが有効かどうかをしっかり見極める必要があります。

ポイント制の競技空手では、相手にポイントを取られても、もっと取れば勝てるので、守備の意識が薄れがちにはなりますが、上級の選手の組手をみていると、やはり守備意識はかなり高めだと感じます。特にダッキングなどはこれまでの空手の技術にはあまりなかったかのと思うので、進化しています。(実は、公相君(クーシャンク―)では地面すれすれに身体をよせて、立ち上がりざまに突きを出すというダッキングらしき技術があります。)

自分の技を練習する際には、その技の弱点も理解して、
「よけられたり、受けられたりしないようにするにはどうするか」
「よけられたら、受けられたら、どうするか」
「予想される反撃はなにか」
こんなことを考えるとよいかと思います。

こういうのは頭の中だけじゃ現実と乖離していくので、誰かにその技をやってもらって観察したり、受けてみて自分が動ける範囲や反撃のための軌道を具体的にイメージしていくといいですね。


いかがでしたでしょうか?戦いに負けないことについてお伝えしました。ポイント制はチャンスが多いので技の優劣を比べ安いという利点はあるものの、一撃にかける想いが薄まってしまうことがデメリットです。せっかく空手をやるなら、スポーツ以外の側面として、戦いの考え方や、身体の使い方を学ぶ道具にしていただければと思います。

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投稿者: keisuikansagamihara

相模原市中央区の空手教室です。

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