座礼の身体操作

空手でまず初めに教わるのは座礼ですね。その時は形だけ教わって、なんとなくそれが正しいと思って(というか躾けられて)疑問を持たないままな方が多いのではないのでしょうか?

この記事では、座礼の身体操作という大げさなタイトルで身体の構造から座礼の形の意義についてお伝えしたいと思います。(アイキャッチ画像はちょっと違うのですが、ご愛嬌ということですいません)

まず問題です

  1. スーツの前のポケットの中は太もものどこにあるでしょうか?(前、外側、内側)
  2. 剣豪・宮本武蔵の二刀流の構えの有名な絵では剣はどうなっていますか?(外を向いている、内を向いている)
  3. 上腕二頭筋(力こぶができるやつ)と上腕三頭筋ではどちらの方が体積が多いでしょうか?
  4. 剣や包丁はどうやったら切れますか?(前に押す・後ろに引く)そしてその動作で使われている筋肉は上腕二頭筋ですか、それとも上腕三頭筋ですか?
  5. よっこらしょと手をついて立ち上がる時に使われている筋肉は上腕二頭筋ですか、三頭筋ですか?

考えることが大事といいながら、これまでの記事では答えを教えてしまっていたという反省から、ちょっと遊んでみました。3~5の問題は筋肉についてです。「この脳筋野郎」という野次が聞こえてきそうですが、わかりましたか?

答え

それでは、答えをいいます。

  1. 前:一般的にズボンのポケットは入口が側面にあって、太ももの前に配置されます。これは、人間の手の構造上、一番楽に入れられる角度だからです。つまり、人間の手は、自然にすると、内側を向くようになっています。
  2. 内側:絵を検索してみてください。そして剣の向きを観察すると、内側に向いていますね。剣がめちゃくちゃ長かったら多分交差します。
  3. 上腕三頭筋:力こぶのイメージが強いかもしれませんが、上腕二頭筋は上腕の体積の約40%にすぎません。(上腕二頭筋だけ鍛えまくったら、別ですが、、、)
  4. 後ろに引く時、上腕三頭筋:3で分かるかもですが、剣での戦いをイメージすると、剣を下に振り下ろしつつ、身体の方向に引いていませんか?あとは板前さんの包丁の動きをよく見てください。刃を引くときは腕が伸びていますね。この動きは上腕三頭筋が活躍する肘の伸展運動です。包丁の時は肘は固定するので、肩の伸展です。
  5. 上腕三頭筋:肘を伸ばしますよね。つまり肘の伸展なので、上腕三頭筋です。

本題

さて、本題に戻って、座礼の形をイメージしてください。エッセンスはこんな感じですね。

  • 左足の膝をつき、上足底のみが床についた状態で左足の踵に腰が乗るような姿勢をとる(騎座)
  • 足の拇指を交差させて正座
  • 膝と膝の間隔は拳一つ分くらい開ける
  • 骨盤を前傾させて、背骨がきれいな字を描くようにする
  • 肩甲骨は後ろに引き、脇は締め、手は太ももの付け根に置く
  • 重心はやや前

問題1の時と同様、手は太もものの前に来ましたね。

では、上体を前にして礼をするときは、

  • 左手を身体の正中線やや左・膝近くにつき、続いて右手を左手の横につく
  • 両手の母指と人差し指で三角を形作る他の指は人差し指につけて真っ直ぐにする(この時、手は床に完全にはくっつけずに、やや指先以外は少し浮かせる)
  • 目線は常に正面に置き、空間全体が視野に収まるようにしておく

三つ目に集約されますが、茶道の例と武道の例の違いは、自分が襲われるかもしれないという備えの有無です。いつ誰に襲われても対応できるように、空間全体を視野に収めて置く必要があります。

手の位置の秘密

もう、なんとなく言いたいことの察しがついているかもしれません。
見えているだけでは動けないので、襲われた際にすぐに身体を起こして受けるなり攻撃するなりしないといけません。
この動くことに関連するのが、手の位置です。

やってみるのが一番わかりますが、手を外側に置いくにつれ、上体を起こすために使われる筋肉は、上腕三頭筋から上腕二頭筋に移っていきます。ちなみに大胸筋は上腕を内側に寄せるために使うので、どちらにしろ動きます。もっというと、大胸筋は胸の内側ほど量が多く、手の幅が狭いほど内側の筋肉が使われます。緊急事態で身体を動かすなら、なるべく早く・力強くしたほうがいいですよね。腕の筋肉では上腕三頭筋、大胸筋は内側を使えるのは、「手を内側で近づけている時」という事になります。

回避ということに主眼を置いても、手の位置は極力正中にあったほうがいいです。なぜならば、礼をした姿勢で左右どちらかに腰をひねろうとすると、どうしても腕が邪魔になるので、腰をひねる方向と同じ方に正中を超えて腕を滑らせないといけません。もし、手が外側にあるとその分、腕の移動距離が延びるので、回避が遅くなります。


いかがでしたでしょうか?本当はもっと奥深いのですが、今回はエッセンスのみにしました。いきなり全てを知ろうとするのは理解が薄らぎます。そして、身体操作の理を教えられるだけでは身につきません。自分で考えて、やってみて、変えてみて、やっとわかる事ですから。

詳しくは練習の時にやりましょう。

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投稿者: keisuikansagamihara

相模原市中央区の空手教室です。

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