あの有名な孫子の兵法は元は戦における考え方として残されましたが、今や現代の戦である経営のみならず、人生の指南書としても広く読まれ、解説本も多く出版されています。
なんだってそうですが、人間相手のことに関しては、これが絶対の正解というのは稀なので、孫子の兵法もその応用に関しては、それぞれで考えなければいけません。と言っても、考え方の根底あるいは原理原則を学ぶ事は、1つの指針となりえるので、大変有用です。
今回は孫子の兵法第十章の地形の子育てへの活かし方を書いてみます。
地形
地形とは、読んで字の如し、土地の形、つまり環境です。
孫子は地形を6種に分けました。
「通」「挂」「支」「隘」「険」「遠」です。
「通」とは、開けている場所、移動しやすい場所のことです。敵よりも先に道を確保し兵糧などの生命線をつくります。
「挂」とは、妨げがあるところ、避難が難しい場所です。十分に勝機があると見込めない限りは入り込んではいけない環境です。
「支」枝分かれした道のことで、兵力の配分が難しい場所です。敵の出方をみて判断しろと言われます。
「隘」幅が狭く、一度に多くの人が通れないような地形です。大群を相手にする場合にこの地形を確保しておくと有利になると言われます。
「険」高低差が激しいような複雑な地形のことです。ここも先に高いところを確保しておくと有利になります。
「遠」両軍が遠くで見合っている状態です。こういうときは先に動かないこと、相手を動かすようにすることが良いとされます。
地形編の応用
では、子育てに応用してみましょう。
- 通 子供がイケイケドンドンの状態、ノッている状態になれる分野なので、悪いことでなければ、全力でサポートします。そして、それをいち早く見つけてあげることが重要です。
- 挂 子供にとって超えなくてはいけない課題が多い事です。あまりにも実力とかけ離れた事柄に対しては入念な準備と、場合によっては目標の変更が望まれます。
- 支 やるべきことが多いと力の入れどころがわからなくなってしまいます。優先順位を一緒に考えてあげたりしましょう。
- 隘 支と似ていますが、大量の課題を目の前にするとやる気が削がれてしまいますので、交通整理してあげます。すると、子供としては、目の前の課題を処理していけばいい状態なので、精神的負担が少なくなります。
- 険 高いところをとる。つまり優位にたてる位置で戦えるようにするという意味です。勉強であれば、ライバルよりも優位な点を見つけ、なるべく早く、誰よりも得意になるようにするということです。
- 遠 試合で膠着状態の時を想定します。こういう時はしびれを切らして無理に攻めた方がたいていは負けます。ごり押しできないから膠着しているのです。勉強では、時間をかけていても成果が上がらない状態の時でしょうか?こういう時はあれこれと手を出さずに、静観するのも一つの手です。焦っていいことはありません。
いかがでしたでしょうか?
子どもに習い事をさせているご家庭は多いと思います。習い事を始めた経緯は様々と思いますが、できたら、その種目で活躍したいものですよね。もちろん、ある程度は練習してからじゃないと、本当の向き不向きはわかりませんし、不向きそうでもお子様が楽しんでやっているならば、それをサポートしてあげるというのも一つの方法です。
なにがいいかはそれぞれで決めることかと思います。
その習い事での優位性を得るための視点として、この地形の考え方を使ってもいいですし、お子様が得意と思えるものを見つけてあげるための考え方として使ってもいいと思います。
皆様の子育ての一助になれば幸いです。コメント等で皆様の地形の見つけ方などをご教示くださると、今後の参考になるので、よろしくお願いします。
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