気合の意味を知っていますか?

コロナ禍では、大声を出す事が憚られる世の中になってしまいました。全空連のガイドラインでも組手での気合を控えるようにとされています。でも、武術的な観点から気合を考えてみると、気合を控えることが憚れられるように思います。
特に初心者の方は、気合で大きな声を出す事に戸惑いを感じることが多いと思いますので、気合の意味をお伝えしたいと思います。

気合の医学

気合というのは、「気合が足りない」とか、「気合が感じられない」みたいな精神的な意味と、「やー!」「アイヤー!」のような発声の意味があります。皆さんも最大の大声を出してみるとわかります。大声を出すと、テンションが上がってきませんか?「血沸き肉躍る」状態になりませんか?

でも、不思議です。通常の発声は反回神経という副交感神経優位の神経が主に働きます。だから、大声を出そうとしたら副交感神経優位になって、リラックスしちゃうんじゃないのかと。カラオケで歌った後にはストレスホルモンが減ったなんていう報告もあるくらいです。

いくつかの報告では、自らの大声を自らの耳で聞いた時に、その大きな音に対する反応として交感神経が優位になります。交感神経が優位なると、心臓が早く動くようになり、血圧もあがります。これが「血沸き肉躍る」状態です。
さらに、意識的に大声を出すためには、腹から首までの筋肉を総動員して、なんなら顔の表情筋も駆使しないといけません。この時、筋肉を活性化させるために脳の広範な範囲が活性化します。すると、その電気的活動が周囲に波及して、本来は関係ない手や足の筋肉も活性化しやすくなるのだと思われます。

椅子から立ち上がる時に「よっコラショ」なんて、言ってしまうのも、足りない筋力を補うための発声なのかと思うと、人体ってすごいなと感じます。

実際、アスリートを対象にした研究でも、発生が筋肉の活動性を向上させることが、わかっています。筋トレで疲弊した最後の最後に力を振り絞る時の雄叫びでは、開始直後よりも強い筋力が発揮されていることも示されています。テニスプレーヤーが球を打つ時に声を出すのも、砲丸投げ選手が大声を出すのも、納得です。

気合の武術的意味

気合が筋肉の活動を高めることはわかりました。でも、

「組手では相手に攻撃を悟られないようにしなきゃいけないのに、気合を出したらバレちゃうじゃん!
意味なくね!?」

と考えてしまった時が、私にもありました。

呼吸を守る

経験がない方もいると思いますが、背中を強打したりして、呼吸ができなくなったことはありませんか?あるいは、鳩尾打ち、ボクシングでいうソーラープレキサスブローでも呼吸ができなくなることがあります。同じように打撃が受けても単に痛いだけの時もありますが、何が違うかわかりますか?
答えは、

息を吸っているか、吐いているか

の違いです。
息ができなくなるのは、横隔膜が痙攣してしまうからですが、その痙攣を引き起こすのは息を吸っている時の衝撃です。横隔膜の気持ちになってみてください。

「よし、いまから息を吐くために頭のほうに上がるぞー!」となっている時に下からの衝撃で持ち上げらるのと、
「よし、いまから息を吸うためにおなかのほうに下がるぞー!」となっている時に下からの衝撃で持ち上げられるのでは、
どちらがびっくりしますか?

予想しない方向への移動という観点では、下に下がっている時に持ち上がるほうがびっくりしません?

筋肉で守る

あとは、大きな声を出すということは、冒頭でも述べたようにおなかの筋肉も使わなくてはいけません。つまり、気合を出すことで、腹筋が固まるのです。当然、攻撃を流したりするほうが、ダメージは少ないのですが、そうはいっても、100%できるわけではないので、いくらかは被弾してしまうので、気合を出すことで、打撃耐性を上げるという効用があります。

実際に、大声を出してみればわかります。その時に腹筋を触ってみてください。筋トレしている並みに硬くなっているでしょう。首の筋肉も固まっていますので、頭部への打撃に対しても同様です。

虚になれる

虚と実、意識と無意識」でもお伝えしたように、虚の状態では攻撃が読みづらくなります。気合を発している時の脳は刻み突きだ上段蹴りだなんてことを考える余裕がありません。練習でプログラムされた動きを無意識で行っているような状態です。剣術の薩摩示現流ってご存知ですか?彼らは、一太刀で相手に勝つために、「チェスト―!」と気合を入れていました。これは「知恵捨て」が基にあるといわれています。知恵を捨てるつまり、頭で考えないという事です。

その他

あまり、空手における気合についての考察はないので、剣道からにはなりますが、気合の効用として述べられているのは、相手の気をくじいたり、威圧する、などが挙げられていますが、相手の気合でビビるようなら、もはや負け確定ですので、実際はどうかなと思ったり、「戦わずして勝」の観点からは正しいのかと考えたり、よくわかりません。


いかがでしたでしょうか?気合の意味わかりましたか?
説明でわかるように、気合は筋力の向上が見込まれますので、練習効率を高める意味でも有用です。当教室では、各々の都合で練習に来ていただくので、人が少ない時なんかは、配慮しつつ気合の練習もできますので、ぜひ一緒に頑張りましょう。新道無念流では「腹中之声」といったり、剣道では「気合の至極は無声なり」という言葉があるようです。気合がなくても最大の力を発揮できるようになることかと思いますが、アフターコロナを見据えて、、心の中で気合を出すという意識でやっていけばよろしいでしょうか?

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投稿者: keisuikansagamihara

相模原市中央区の空手教室です。

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