最近寒くなってきましたね。コロナウイルスの感染者数は激減しているようですが、このまま収束にむかってくれるといいなぁと思いつつ、警戒は緩めてはいけないなと兜の緒を占めているところです。そろそろ風邪が流行り出す時期でもありますので、今回の記事ではご家庭でできる風邪の予防方法について、お伝えします。
予防法
もう知っているよ!手洗いうがいでしょ?
なんて声が聞こえてきそうですが、実は細かいことは知らないんじゃないかなと思いますのでお付き合いください。
風邪の予防法は以下
- 家の中に外のウイルスを持ち込まない
- 手洗い
- うがい
- 他人との飛沫交換を減らす
- ビタミンなど栄養をばっちりとる
- 睡眠をしっかりとる
- 身体を冷やさない
特に重要なのは上の3つです。風邪をもたらすウイルスはたいていが口を経て身体の中に入ります。人は無意識のうちに顔を触ってしまうものなので、手にウイルスをつけないことが肝要です。(つまり、日常的に手袋をすることは感染対策としては効果が薄いです。)
家の中に外のウイルスを持ち込まない
受験生がいるご自宅だと、実践されていることも多いかと思いますし、花粉症対策としても有効な方法です。ウイルスというのは見えない存在なのですが、そこら中にいると思って考えると、なんとなく見えてきます。(私はこれを心の目と呼んでいます)
花粉もウイルスも、大気中に大量に存在しています。それらを身にまとって、私たちは家に帰ってくるわけですが、そのままリビングなどに行ってしまうと、自宅内にウイルスが入り込んでしまいます。ご自宅の構造で変わってくるところではありますが、やるとすると、
・帰宅したら上着やかばんは玄関に置く
・帰宅後すぐにシャワーなり入浴するなりで洗い流す(髪についたウイルスもバイバイできます)
ことができるかなと思います。
手洗い
職業柄、いろいろ状況での人の手洗いを観察してしまうのですが、水にぬらす程度でお終いにしてしまっている事が多いように思います。ですが、手洗いというのはそれだけでは、ウイルスを減らす効果が低いことは言うまでもないでしょう。
流水での手洗いでは、だいたい1秒毎に2割ずつ手についたウイルスが減っていくと考えてください。15秒~20秒で1%にまで減ります。
石鹸での30秒間のもみ洗いを加えると、0.01%になります。60秒なら0.001%です。
ちなみに、アルコールの効果は、きれいな手なら0.01%にまで減らすことができますが、汚い手だと、1%程度までにしか減らず、しかも手についた汚れの中にウイルスが潜んでしまうので、効果を高めるなら流水での手洗いで大まかな汚れを取った後にアルコールを使うべきです。
汚れに対する洗浄効果は化学の力よりも物理の力の方が偉大であることは、日々の洗濯でも実感されるところかと思います。
うがい
いろいろやっても、ウイルスは口の中に吸い込まれているものです。たいていは身体の免疫細胞たちがやっつけてくれるのですが、彼らにとっても敵は少ないに越したことはないかと思います。
うがいには、のどの粘膜についたウイルスを洗い流す効果があります。
うがいは15秒程度を2回
を目安に行います。
それ以上やると逆に喉の粘膜を傷つけてしまう可能性があるので、おすすめはしません。
また、一時期ポピドンヨードによるうがい(イソジンのこと)がコロナに有効だとされましたが、私としてはやや懐疑的です。むしろイソジンは正常な状態で身体に存在する細菌もやっつけてしまいますし、粘膜への刺激も強いので、逆効果になる可能性があります。水のみのうがいとイソジンのうがいでの抗ウイルス効果を比べた研究では、否定的な結果が多い印象です。イソジンに効果があるとする研究は、そもそもうがいの効果をみているように感じます。
その他、鼻毛は生体が自然に備えているマスクと考えられます。せっかく備えられているので、口呼吸ではもったいないのでぜひ、鼻呼吸を心掛けてください。エアコンのフィルターで分かるように、鼻毛も無限にゴミやウイルスをトラップできるわけではないので、のどのうがいのついでに、鼻も洗ってあげるとよいですね。
その他注意
ご自宅で次亜塩素酸水をスプレーでシュッシュとしている方が結構いらっしゃるようですが、厚労省もWHOも人体に悪影響を及ぼす可能性があるとして非推奨にしています。ウイルスに対する効果も微妙ですので、空間中への消毒剤の噴霧はしないか、誰もいない時にやったほうがいいと思います。
以上、感染対策でした。
基本は「手洗い・うがい」それと「家の中に持ち込まないこと」です。コロナに限らず、ただの風邪で命を落とす方が毎年少なからずいらっしゃいます。できることはやって、自分の身は自分で守る、そして、周りの人を守っていきましょう。