組手の構え方

組手をやる際には、構えをまずしないといけませんので、基本的な構え方を説明します。

構えの模式図、下肢の関節は省略

図の一番左は横からみた構えの模式図です。

構えは体の向き・脇の閉じ具合・拳の位置・腰の落とし具合(膝の曲げ具合)が主な要素です。
今回は膝の話はわきに置いておいて、身体の向きと脇の閉じ具合で、構えの見え方がどのようになるかを知ってください。どれがいいとかではなく、どれも善し悪しあります。大事なのはそれぞれの特徴を知っておくことです。(完全に正面を向いた構えは、耐性に自信がある人(関取や刃牙の花山薫とか)以外は全く有利な点がないので、これも割愛します)

最近の主流は左から2番目の図のように真半身で構えて拳が肩を隠す位置にくるようにするやり方です。これは、例えば刻み突きをした際に拳がほとんど点で向かってくるので、技の出どころがわかりづらいです。後ろ脚は前足で隠れているので、継ぎ足をしても気づかれにくいので、攻撃のスピードはめちゃくちゃ速くなります。相手にとって、打撃ポイントになる面が狭いので、攻撃されにくいこともメリットです。また、足がほぼ左右対称に開いているので、後方への回避動作が早くなります。腰が曲がりやすいので、ダッキングも容易です。受けたり乗ったりは難しいと思うので、防御に関しては回避に重点を置いた構えです。腰側がほぼ無防備ですので、背中側に回り込まれると防戦一方になります。あとは、継ぎ足した際に攻め込まれるとダッキング一択になります。

左から3番目のように体が真半身でも、脇が開いた状態で構えてしまうと、拳と上腕・前腕が相手に丸見えですので、初動が察知されやすくなってしまいます。それを逆手にとって、前拳をちらつかせて後拳での攻撃を狙ってもいいかもしれません。ただ、これは脇を閉じた状態でも脇を開ける癖があるかのように見せかけても同じなので、常の構えにするメリットはあまりないと思いますが、いかがでしょうか?

最後に右のような構えは、日本空手協会で多くみられる半身の構えです。前拳の突きを出す際には腰の回転が加わるため、真半身からの刻み突きよりも強力です。図では上腕が見えてしまっていますが、うまく構えれば肩は隠せます。また、前足を刈られても、重心が正中に乗っていれば踏みとどまることは容易です。人間の身体の構造上、後ろ側への関節の可動範囲は狭いので、掴まれた際は真半身の状態よりも優位です。(柔道の戦いで相手に対して真半身になることはないですよね)後方への回避は真半身の構えよりも遅いのですが、前に進む力は強いのと、防御の際に両手をつかえるので、受ける、流す、乗るといった技術を発揮しやすいです。スピード重視の競技空手では真半身が圧倒的に有利ですが、相手を制することまで想定した場合は、相手との距離をこちらから詰めるか、相手の攻撃を受けるなどする必要があるので、半身が有利です。


いかがでしたでしょうか?身体の構造上の特徴も十人十色なので、どの構えがいいとか悪いとかではなく、それぞれの有利不利を把握して、状況毎に使い分けていけばいいのだと思います。
試合には勝ちたいものですが、同時に実戦でも使える強さも求めたくなりますよね。伝統派空手はコンタクトをさけることで、今のようなスピードを手に入れましたが、代わりに力強さを失いました。一方で極真やフルコンタクト空手では顔面攻撃をやめることでコンタクトしても比較的安全な空手を実現しましたが、代わりに一瞬の切れを失ったために防御の意識が低いような印象を受けます。(実は少しの期間、フルコンタクト系の空手も習ったことがあります)昔よりも素材の開発が進み、拳サポーターも進化しているので、そろそろ原点回帰していってもいいのかなと最近考えています。機会があれば、伝統派以外の団体と合同練習などで技術交流したいなと思っています。

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投稿者: keisuikansagamihara

相模原市中央区の空手教室です。

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